2019/01/21

2019年フォトグラファー向け新情報

2019年になり写真家の皆様に影響がありそうな法律・規約などをCOPYTRACKから紹介します。特に重要であるビジュアルトレンドのアップデートから、SNSの新機能、著作権法の改訂までを集め、これらの変化がどのような影響を与えるのかについてもご説明します。 全てのトピックを一目で 2019年のビジュアルトレンド 今年公開されるSNSの新機能とは? 2019年はSNSデトックスの年? 最後に:EUの著作権法がついにやってきます! 2019年のビジュアルトレンド 画像は他のいかなる媒体よりも社会的な変化を反映することができる強力な方法です。Adobe Stockは3度にわたりどの主要なテーマが新年を形作り、それがデザイナーやブランドのビジュアルコミュニケーションにどのように影響するのか議題に上げてきました。   では、ビジュアルランゲージと社会の変化にどのような関係性があるのでしょうか?ビジュアルトレンドを用いて、Adobe Stockはクリエイティブコミュニティが新しいトレンドを見極め、新年のインスピレーションを最大限に引き出すサポートを目的としています。 Adobe Stockのチームは世界中を見回し、私たちが新年注目すべきインスピレーションを与えてくれる“テクノロジー・自然・ライフスタイル・社会”という4つのキーワードを発見しました。それは生まれながらの本能であったり、クリエイティブの民主化や破壊的表現そして声を上げる企業が挙げられます。 それゆえ、このようなテーマにインスピレーションを受け製作された画像は新年特に多く注目・販売されていくと考えられます。 そして無断転載に関しては、COPYTRACKのエキスパートもこのような写真のトレンドを掴んでいます。私たちの経験から頻繁に無断転載されている画像は必ずしもベストセラーのものではなくどちらかと言えば「意外なヒット」と呼ばれる、予想し難い、日常生活にないようなものであることがよくあるのです。もちろん確実とは言えないため、全ての写真をチェックしておくことが最善策です。 ここで2019年の4つの注目ビジュアルトレンドをお届け! 生まれながらの本能という概念は多くの人が望む自然への回帰を表現しています。環境意識の高まりは、消費や美容用製品、住居や他人との出会い、内側のバランスの模索など、生活のあらゆる場面と関係してきます。Adobe Stockによると、将来的に身体的、感情的、そして精神的な幸福を中心として展開する写真・ストーリーの需要が高まってくるとのことです。持続性、公平性、透明性が鍵となる概念です。 クリエイティブの民主化は多面的なモチーフを持つ本物の、ほぼ未編集の画像において生き生きとします。画像を取り巻く世界をプロの写真家のみが独占的に形作る時代は終わり、今日では誰もがインスタグラム上に自身の写真やビデオを公開することが可能になりました。これは多様な視覚的美的感覚を生み出し、感情に訴えかける画像を用いた社会的認識とブランドコミュニケーションの両方に変化をもたらします。 破壊的な自己表現のコンセプトは新たな抗議の美学を表しています。そしてより多くの人々が自分たちの声を届けられるようになってきています。例えばデモにおいて、群衆から際立つ極端な個人描写の画像はSNS間で広く浸透しています。ブランドはこのような表現方法を利用し、この抗議のビジュアル・ランゲージをファッションコレクションやショーウィンドウ取り入れています。 声を上げる企業は、Adobe Stock 2019によると更なる大きなトピックとなるそうです。倫理と責任は消費者にとってますます重要になっています。例えば、Z世代(1990年代後半~2000年生まれ) は製品以上のものに価値を見出し、とりわけ社会的価値観を象徴し、透明性を約束する企業を信頼しています。また責任感というものは言葉だけでなく行動でも示されるべきです。これは例えば、Ocean Agencyのコレクションにある水中世界の美しさの危機の表現など、視覚的コミュニケーションの形の変化に伴っています。 […]
2019/01/17

本物の画像の力強さ | スイスのフォトエージェンシーEx-Pressインタビュー

インターネット上のあらゆる所で様々なストックフォトを見つけることができます。これは様々な目的に合わせ、できるだけ多くの顧客の心に訴えかけかけることを目的にしているため、どのような場面にも対応できるということはストックフォトにとって重要であると言えます。スイスのフォトエージェンシーであるEx-Press AGが目的としている、従来のストックフォトエージェンシーとは一味違う斬新さを視覚的・感覚的にストックフォトにもたらすのはまさにこのためです。Ex-Press AGは2006年に設立され、スイスのチューリッヒを拠点としています。Ex-Press AGはスイスの約20人の写真家の代理として、彼らの写真と購入したい顧客との橋渡しをしています。 Ex-Press AGは2006年に設立され、スイスのチューリッヒを拠点としています。Ex-Press AGはスイスの約20人の写真家の代理として、彼らの写真と購入したい顧客との橋渡しをしています。 Ex-Pressは政治・社会・ビジネスにおける著名人のユニークなインタビューやポートレート写真のポートフォリオを顧客に提供するということに主な焦点を当てています。さらに、スイスの日常生活を紹介するようなコレクションも提供しています。このような写真においてEx-pressはそれぞれの写真家の独自の撮影スタイルを完全に信頼しており、即興で撮影された自然な写真を推しています。その結果として生き生きとした躍動感のある写真は“本物”であることの力強さを観客にダイレクトに伝えるのです。 過去数カ月間に渡りEx-Press AGはCOPYTRACKを使用し、無断転載の発見そして事後ライセンスの提案、また同時にストックイメージの広範囲に及ぶカタログを守る為に活用してきました。そこでCOPYTRACKはEx-press AGに無断転載について、またどのようにCOPYTRACKが役立っているかをインタビューしました。 Ex-Press AGのどのような点が他のフォトエージェンシーと違うと思いますか? 「Ex-Pressは、スイスのジャーナリズムおよびドキュメンタリー写真に焦点を当て、厳選された写真家達のポートフォリオを維持しています。画像を販売するときに、特定のビジネスモデルに従うよりも顧客のニーズに合わせたいと考えています。質の高い写真を提供すること、写真家のためのフェアな金額を保証する金額設定を目指しています。また当社の目標は、やりとりの中心地として機能する、あらゆる分野の写真を提供するサービスプロバイダとなる事です。オーダー画像、ビジュアルコンセプト、アナログ画像メディアや画像媒体の保存やデジタル化が必要かどうか、私たちは的確な専門家や知識、パートナーの助けによりニーズに的確に答えることができます。それに加え、顧客や写真家のために私たちが過去に何年にも渡って培った撮影に関するノウハウをトレーニングコースという形で楽しみながら共有しています。」 COPYTRACKを見つけたきっかけは?無断転載に関してどのような経験がありますか? 「初めてCOPYTRACKのことを聞いたのは業界誌で、そこからCOPYTRACKサービスでいくつかの画像をテストとして試してみることにしました。その時点で、画像の無断転載は既に数年間にわたり問題となっていました。過去には無断使用者に対して行動を起こしたこともありました。しかしながらその対応にかかる時間と得た収入が割に合わないという問題に直面しました。」 写真家たちは自身の仕事に対して フェアな報酬を得るべきです。 COPYTRACKサービスにはどんな印象をお持ちですか?発見された無断転載の多さや、誰が使用しているかに驚かれましたか? 「COPYTRACKの検索エンジンがヒットを見つけ出す成功率は非常に高いです。それぞれのケースの進行には時間を要しますが、合計でライセンス料/過去使用料を獲得したケースの数の多さには驚きました。既にとても多くの無断転載を経験しているため、最近は驚くこともなくなりました。」 COPYTRACKのどのようなサービスが特に役立ちましたか?何か印象に残るケースはありますか? 「COPYTRACKのシンプルかつハードルの低い操作と登録のおかげで、とても簡単に使い始めることができました。あえて特定のケースについて言及は避けますが、大学や公共機関、ジャーナリストまでもが不注意によりライセンスなく画像を使用しているということに驚きを隠せませんでした。このようなことが何気なく発生していることは非常にショックを受けます。」 どんなタイプの写真がスイスで一番頻繁に無断転載されていると思いますか? 「我々エージェンシーは主に特定のテーマがある画像の無断転載の実例が多いです。しかしながら現時点ではスイスでの無断転載と他国においての無断転載の顕著な違いは見られません。」 COPYTRACKサービスでの新しい経験を通して、無断転載に事後ライセンスを提案するという形態はイメージエージェンシーにとって重要な収入源となる可能性があると思いますか? 厳しい市場の状況を考えると、無断転載から得られた追加ロイヤリティは確かに重要な収入源です。きちんと支払っている顧客よりも、画像の無断使用者が優位に立つことを一切なくすため、一貫した無断転載の対応は重要です。 […]
2018/12/12

Google画像検索 ► 吉とでるか、凶とでるか?

なんと便利なことに、Googleはウェブサイトだけではなく画像も検索することができます。例えば次の休暇の行き先の写真や、自分のウェブサイトの画像、またはプレゼンテーション用のイラストも検索することも可能です。そしてGoogleはパプリックがアクセスしやすい画像を数え切れないほど表示します。そこで今回は世界で最も使用されているこの画像検索エンジンに関して、いくつかの興味深い疑問とニュースをご紹介します。 目次: ► Google画像検索の画像は使用してもいいもの? ► Googleは画像検索で著作権侵害を起こしている? ►ついにGoogleが著作権情報を表示 ► 新しいGoogle画像検索は無断転載から守ってくれる? ► Googleの「画像表示」ボタン削除により無断転載は無くなる? ► Googleのリバース画像検索で無断転載の対策は完璧? Google画像検索の画像は使用してもいいもの? 多くのインターネットユーザーはインターネット上の画像をダウンロードしていいのかどうか確信が持てないでいます。その一方でGoogleは全てのサービスを無料で提供しているという確信に近い考えも既に広がっています。これを証明するように「Googleの無料画像しか使用していない」、「Googleの画像は無料で使用できると思っていた」とよく言われています。 実際のところ、検索エンジンで検出された画像を使用する時には、これらの画像は必ずと言っていいほど著作権で守られているということを留意しなければなりません。なぜなら画像やグラフィックはその著作権者から独占的に許可を得て公開されている可能性があるからです。原則として著作権者は、画像使用料と誰が著者/著作権者として画像に表示されるべきかを決めることができます。 COPYTRACKのCEOであるMarcus Schmittは「オンライン上にある写真で、撮影者や別の著作権者の名前を載せないまま無料で使用可能な画像はほとんどありません。」と語ります。あなたのプロジェクトの為にGoogleで画像検索し使用することは、あまり良い考えではないかも知れません。 Google自体も画像は著作権によって保護されている可能性があると明記しており、自由に二次使用可能な画像を検索する画像検索オプションを使用するよう推奨しています。画像検索オプションの「ライセンス」フィルターを使用すると、Googleが使用もしくはシェアを許可したロイヤリティフリーの画像を検索することができます。とはいえ、検索結果で「自由に二次使用可能」と出たとしても必ずしもライセンスがなく使用していいとは限りません。と、ここでも注意が必要です。 Googleは画像検索で著作権侵害を起こしている? ドイツの著作権法19条aによると、著作権者の許可がある場合のみ画像は使用されて良いことになっています。しかしGoogleはその画像検索の画像のコレクションを作成する為に使用しており、選択のためにサムネイルとして小さなサイズでユーザーに表示されます。では、画像検索を提供しているGoogleやその他の検索エンジンの運営者は大規模な著作権侵害を起こしているのでしょうか? → 2010年 このトピックは連邦裁判所(BGH)の長年にわたる悩みの種でした。2010年にGoogle画像検索結果の表示が著作権侵害を構成するかどうかに関して主要な決定がなされました。ちなみに著作権法の原則でも明言されていますが、連邦最高裁判所は著作者は自分の画像を保護する責任があると見なしています。 結局のところ、Google画像検索結果に画像を表示させたくないのであれば検索エンジンのアクセスをできないようにすることも可能です。そういったことからBGHは著作者を犠牲にする特権を検索エンジンに与える決定を下しました。 → […]