2019/08/09

無料オンライン画像:まず最初に知っておきたいこと

記事のイラストや自身のウェブサイトの見栄えをよくする為に、インターネットでは無数の画像が使用されています。写真は長い文章を分割するのに最適かつ魅力的な見た目にしたり、SEOの観点からも有用です。そのため無料のストックフォトが好んで使われます。Selbststaendig-im-netz.deの調査によると、調査された読者の30%がネット上の無料写真を使っているそうです。3%は単にネット上から適当に画像を使用していると答えました。 Pixabay、Pexels、Unsplashのようなウェブサイトはプロのストックフォトを無料提供することを約束しています。またこれらの写真には著作権表示も必要がありません。これらのプラットフォームは非常にプロフェッショナルにアレンジされています。特定の写真や、様々なカテゴリーからインスピレーションを得て検索したりできます。画像は多くの場合、本来のサイズで美しいまま利用可能です。これは本当に素晴らしいのですが、事実であるにはあまりにもおいしすぎる話だと思いませんか?実際、画像の無料使用が提供できるプラットフォームでは特に注意が必要です。ロイヤリティフリーと思われる全ての写真が制限なく実際に使用できるわけではないのです。 目次 Pixabay、Pexels、Unsplashとは? PixabayとUnsplashの無料画像使用時に気をつけることは? 許可のない画像を使用するとどうなってしまう? 無駄な出費を抑えるためのヒント あなたの画像が無料ダウンロードで提供される? Pixabay、Pexels、Unsplashとは? 無料画像を探すとPixabay、Unsplash、Pexelsなどのパブリックドメインの画像を含む写真共有プラットフォームのような写真ポータルが見つかります。例えば2010年にドイツで発祥したPixabayサービスは、140万枚のパブリックドメイン画像、イラスト、ビデオを無料でダウンロードできます。 著者が自身の画像にパブリックドメインのライセンス適用を付与、または本人が70年以上前に亡くなった場合、その画像はパブリックドメイン画像として考慮されます。 著作権者はPixabay、Unsplash、Pexelsのようなプラットフォームであなたの画像を無料でアップロード、他のユーザーが無料で利用できるようにすることが可能です。プラットフォームのユーザーはPixabayの画像は全て安全に使えると思いがちです。 COPYTRACKからの注意点:特定の状況下であれば無料写真とされる画像使用は法的影響をもたらす可能性があります。例えばPixabayは第三者の了承は保証しておらず、不明なユーザーが無料画像を無料提供した場合の責任は負いません。 無料で写真をやりとりするプラットフォームの問題点:適切な権利を保有していないことはよくあり、例えばその写真家自身のものではない画像が不適切にやりとりされた場合が当てはまります。写真家は写真の著作権者であり、その使用について決定することができます。しかし不明な写真が著作権者の許可なくネット上のプラットフォームにアップロードされてしまうことがあります。 提供者が画像使用権を付与することができない場合、その写真を使っている人に費用が発生する可能性があります。注意が必要な場合を以下の基準でご確認ください。 PixabayとUnsplashの無料画像使用時に気をつけることは? プロフェッショナルな写真が無料で制限なく、商用利用でも提供されている場合は注意が必要です。クオリティが高く撮影費用がかかりそうな写真であれば、無料で提供される確率はかなり低いと言えます。写真を商用利用する場合、写真家は通常それなりの報酬を定めており、これが写真家のビジネスモデルとなっています。 ► 不明なユーザーの写真 Pixabay.comや類似プラットフォームでは写真は本人確認がなくても、ユーザーネームとEメールアドレスを提供するだけでアップロードができてしまいます。確認が行われないため、アップロードする人が画像アップロードを許可されているかどうかも分かりません。これらのプラットフォームの匿名性は無断転載の扉を開いてしまいます。権利のない誰かはもちろん使用許可はできません。そんなプラットフォームの画像を誰かが使い、写真家の権利を侵害し、責任を取らなくてはいけなくなってしまうこともあり得ます。 ► 著作者名表示のないプロの写真 もちろん写真家は名前表示(著作権表示)を自由に放棄することができます。しかしそれは珍しいことで、写真家は著作権表示を広告として使用し、写真を販売して生計を立てているためです。このように宣伝することによって自身の名を広め、さらなる仕事を獲得します。 ► プラットフォーム免責条件 きちんとしたフォトエージェンシーは、許可されたライセンスの範囲内での写真使用と、第三者の権利が侵害されていないことを保証します。そのような免責事項が利用規約に欠けている場合は要注意です。その場合プラットフォームはおそらく誰が権利者か確認していないでしょう。例えば使用条件に「アップロードはご自身の責任において行われるものとします。」と記載がある場合です。このような条項はユーザーに画像使用の法的な責任を負わせようとするものです。法的紛争となった場合に責任を問われる可能性があります。無料画像だと思っていたものがとんでもない出費となってしまうのです。 […]
2019/05/16

フォトグラファーに朗報:コンセンサムがグローバル著作権登録サービス開始!

コンセンサムがグローバル著作権登録のサービス提供を開始しました。フォトグラファーやその他画像の権利者は、自身の写真と該当する使用権をこのブロックチェーンベースのレジストリに安全に登録し、世界で初めて自身の写真がどのように使用されているかを監視できます。最大限の透明性を維持するため、登録時に画像は継続的にオンラインで追跡されます。レジストリ最大のメリット:登録後、画像の権利が永久的かつ不可逆的にブロックチェーンに埋め込まれます。  コンセンサムのグローバル著作権登録へ 世界初となる写真のグローバル登録 オンラインに投稿されるとメタデータが失われることが多いため、これまでは無許可の画像を追跡することは非常に大変な作業でした。その結果、画像使用者は画像を誰が所有しているのか不明なため、適切なライセンスを購入せずに使用してしまいます。 コンセンサムの著作権登録をしていれば画像の所有権表示がより簡単にできます。著作権者は本人確認をしたのち画像をアップロードするだけです。 その次にハッシュ値と呼ばれるものが各画像に対して生成され、フォトグラファーに関する情報を加え、ブロックチェーンに書き込まれます。そして画像は永久的に著作権者と関連づけられ、これを利用して所有権の証明をすることができます。コンセンサムは登録されたそれぞれの画像に対し、著作権所有の証明として機能する証明書をユーザーに付与します。 画像の無断使用が起きた場合、この証明書は所有権の疎明として使用ができます。著作権者はコンセンサムとつながっている便利なCOPYTRACKプラットフォームを利用し、スムーズに無断転載の対応依頼を行うことができます。 フォトグラファーが画像登録することの重要性とは? 今日では自身の作品が著作権によって保護されていることを明記する必要はもうありません。例えばドイツの著作権法では作品が創造された瞬間「自動的に」著作権が付与されます。したがって理論的には著作権の申請や登録は不要ということになります。  それでもなお、著作権者が画像と一緒に著作権表示をすることは未だに重要です。ドイツの著作権法(Urheberschaftsvermutung)にも所有権の推定について詳述した条項が含まれており、もしフォトグラファーが画像の著作権者であるということを画像内で明記している場合、この条項を使用することで証明の負担を軽減できます。そのような場合、反論が証明されるまで指名された当事者は著作権に関するドイツ法(UrhG)の第10条、第1項に従って権利者とみなされます。  実際に、一般的に著作権はそれに関する紛争があった時に証明をより容易にするために登録されています。損害賠償請求の際は登録をしている著作権者はより有利と言えます。国際的にも、そのような証拠として利用可能なものがあれば法的措置の場合にも有利になり得ます。デジタル化が進むにつれて、そう言った証拠はますます重要になっていくでしょう。  アメリカの米国著作権局の国内レジストリなどは、多くの国で一般的になりました。コンセンサム著作権登録はフォトグラファーやその他の権利保持者が、法的措置の際に所有権を証明できるように、すばやく簡単に写真を登録する機会を提供します。  透明性の高いグローバル著作権登録 画像の著作権が一度コンセンサムに登録されれば、オンラインでの画像の使用状況が、テクノロジーパートナーのCOPYTRACKによって継続的に監視され自動的に守られます。もしシステムがインターネット上のどこかで画像使用されているのを発見時はコンセンサムアカウント上で通知されます。たった1クリックで自分の画像が世界中のどこで使用されているか見ることができるのです。  お読み頂いた通り、著作権登録には2つの注目すべきメリットがあります。それは証拠の信頼性を向上することにより事後ライセンス提案等や法的措置の成功率を高めます。そして更なる透明性も生み出します。これはフォトグラファーだけでなく、画像使用者も安心して使えるという、メリットがあると言えるでしょう。  評判高い安全なブロックチェーン技術の活用 最新のブロックチェーンテクノロジーと著作権者向けの多段階認証プロセスにより、コンセンサムプラットフォーム上で最大限のセキュリティが確保されています。  またコンセンサムグローバル著作権登録は既に多くの支持を得ています。ベルリンのHTW応用科学大学は熱心に開発を進めており、新しいケーススタディの作成のためにこの使用事例を活用しています。  Katarina Adam氏(HTW Berlin)はコンセンサムがブロックチェーンを活用した斬新なアプローチであると見込んでいます。 「ブロックチェーン技術固有の特性により、デジタル著作物の権利者を明確に決定することが可能になり、何らかの細工をしようとしてもハッシュ値が変更するため失敗に終わるはずです。そのため私はコンセンサムグローバル著作権登録の活動を興味深く支持します。」 コンセンサムはフォトグラファーのインターネット上にあるデジタル著作物を登録可能にする画期的なツールであり、登録だけでなく画像のライセンス販売や無断使用の管理をも可能にします。またこのサービスは画像だけでなくビデオや音楽などの他のデジタルコンテンツでの使用も期待されています。  コンセンサム著作権登録に関する詳しい情報はこちらをご覧ください。 https://concensum.org/ または https://concensum.org/en/faq/ Written by Dr. Daniela […]
2019/05/13

人工知能と著作権 : AIはフォトグラファーの脅威となるか?

AIはアーティストとなりフォトグラファーを 脅かすのか、それとも便利な助手となるのか。 2018年に人工知能が絵画を作成し、これがなんと約5000万円でオークションにかけられたことをご存知ですか? このような例と同様に人工知能の分野における急速な進歩のおかげで、AIに関する議論は非常に普及した話題になりました。これは特に人工知能と著作権が関係する場で顕著です。この革新的な新技術の将来について私たちが知る余地は未だありませんが、少なくとも著作権法の観点からAIの現在の状況を調べることは可能です。 例えば人間の知能と人工知能の関係とはどのようなものなのか?またAIはどれほどクリエイティブなのか?AIが「アーティスト」としてフォトグラファーを含む他のアーティストの脅威となり得るのか?それともペンやカメラの様な道具でしかないのか?こういった疑問は尽きません。 人工知能ってどんなもの?  人工知能はコンピューターが独立して学び、問題を解決できる様にコンピューターをプログラムすることを目的としています。今日では使用されている人工知能の応用分野はすでに数多くあり、人工知能はなんとアートの作成にも使用されているのです。AIによって作成された作品の注目すべき例としては、まるでビートルズによって作曲されたかのような曲や、小説版ゲーム・オブ・スローンズやハリーポッターの続編のようなものであったり、レンブラントの作品に類似性のある絵画が挙げられます。  この話題自体は複雑である一方、AIの基本的な情報を理解することはそこまで難しくありません。機械が学習することを可能にするために、AIには「トレーニングデータ」と呼ばれるものが用意されています。期待される結果により画像や歌、文学作品などの情報が与えられ、これがAIのアルゴリズムの分析や自己学習の例として役立つのです。 概要 “Edmond de Belamy”の肖像画 人工知能と著作権:AIは著作権者になれる? AIの作品は人間に帰属する? 注意:AIの作品も著作権侵害の対象に! フォトグラファーにとってAIの意義とは? 写真分野でのAIはどのくらい賢い? 結論:AIはデザインの自由を可能に “Edmond de Belamy”の肖像画 本文冒頭でご紹介した例の“Edmond de Belamy”の肖像画は、2018年に完全に人工知能によって創作された作品のことです。それが何とオークションにて432,500アメリカドル(日本円にして約4700万円)でかけられ、その作品に対する注目は一気に高まりました。AIが創作をするために使用したアルゴリズムは当時19歳であったRobbie Barrat氏が開発したものでした。アルゴリズム開発後、Barrat氏はすぐにオープンソースライセンスとして使用可能にしました。  “Obvious”として知られるパリのアーティスト集団がこのアルゴリズムを手に入れ“Edmond de Belamy”を創作しました。”Obvious”の期待する結果を生み出すため、創作を始める前、その準備と分析のために約15000もの絵画をこのアルゴリズムに与えました。2018年10月25日、この肖像画は先述した432,500アメリカドルという価格でニューヨークでのオークションハウス、クリスティーズに出品されました。これはオークションハウスで競売にかけられた初の人工知能による作品として歴史にその名を刻みました。そのニュースがRobbie Barrat氏の耳に入った時、彼はTwitterにてその怒りを露わにしました 。  ※その肖像画はこちらのツイートをクリックしてご覧ください。  […]